1 はじめに
動物から植物まで生物の遺伝情報の一部を書き換える技術(ゲノム編集法)が開発されて、野菜や肉・魚の味や収穫量を操作できるようになってきました。さらに、私たち人間の遺伝子も編集することができるようになり、病気で苦しむ人たちの新たな治療法が開発されようとしています。ゲノム編集に期待が膨らむ一方で、適切に利用しないと思いがけない負の結果がもたらされることも考えられます。一般的に、新技術とそれを受け入れる社会との間では齟齬が生じやすく、それによる倫理的な課題が生じる可能性に留意しなければなりません。ゲノム編集を適切に利用していくためには、ゲノム編集とはどのようなもので、どのようなことに役立ち、どのようなことに注意しなければならないかを、広く社会の人々に知っていただくことがとても重要だと私たちは考えています。そこで、ゲノム編集とその応用の可能性について正しく理解していただくために、このウェブサイトを作成しました。説明はできるだけ平易になるように心がけ、中学生・高校生の自由課題の材料に選んでいただけることを目指しています。
本ウェブサイトは、日本医学会連合ゲノム編集技術の医学応用に関する検討作業部会で作成しましたが、これが最終版とは考えていません。日々進歩するこの領域の研究を反映するよう常時更新していきたいと思います。また、本ウェブサイトに関するご意見・ご質問をお待ちしておりますので、日本医学会連合事務局までお寄せください。ご意見を取り入れて、より良いサイトにしていきたいと考えております。